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2009年11月17日

川崎病、複数細菌原因か…抗菌薬で治療成功

川崎病、複数細菌原因か…抗菌薬で治療成功

 乳幼児の原因不明の難病・川崎病が、体内で大量に増えた複数の細菌の感染によって引き起こされる可能性が高いことを、順天堂大のチームが突き止めた。(2009年11月17日15時23分 読売新聞)

 従来の治療法では効果のない患者の治療にも成功しており、英国免疫学会誌電子版で発表した。

 研究チームの永田智(さとる)・准教授らは、患者ののどや小腸に、毒性の弱いブドウ球菌や、ありふれたタイプの桿菌(かんきん)の仲間が、通常の10倍~100倍も存在することに気づき、詳しく調べた。

 その結果、〈1〉ブドウ球菌によって免疫反応が強まり、高熱や腫れの原因になる〈2〉桿菌の仲間は血管内皮細胞にHSP60という特殊なたんぱく質を作らせ、これが免疫細胞の標的となり、冠動脈で過剰な免疫反応が起きる――ことを突き止めた。

 炎症を抑える血液製剤を大量に投与しても効果がない患者7人に、ブドウ球菌や桿菌を抑えるST合剤という抗菌薬を投与したところ、6人が回復した。

 研究チームの山城雄一郎・特任教授は「細菌の組み合わせによって症状が変わると考えられる。数滴の血液から細菌の種類を特定できるので、さらに多くの症例を調べれば治療法を確立できるだろう」と話している。

 発見者の川崎富作・日本川崎病研究センター理事長の話「複数の細菌がかかわっているという考え方は非常に興味深い。後遺症が深刻な病気なので、早期治療が可能になることを期待したい」

 ◆川崎病=1967年に川崎富作博士が発見した。日本人や日系アメリカ人、韓国人などで4歳以下の子どもに多く、日本では年間約1万人が発症。高熱や目の充血、発疹(ほっしん)、唇や口の中が腫れるなどの症状のほか、5~10%で心臓の冠動脈に動脈瘤(りゅう)ができたまま残り、心筋梗塞(こうそく)で亡くなることもある。

(2009年11月17日15時23分 読売新聞)